Dec10Mon

一流のおぬしはどちらの「ベントオーバーロウ」を選ぶか?

2018.02.17

今日のお題AとBどちらの
「ベントオーバーロウ」を選ぶか?

「動き」を鍛錬する一流のトレーニングの真髄を説いてきたが、今回は「筋肉」を一つひとつ鍛える一般的な筋トレを俎上に乗せる。「動き」が鍛えられるのも、基礎的な筋力があればこそだからじゃ。「筋肉」の鍛錬で一流を目指すならAとB、どちらを選ぶべきか答えよ!


[A]

ベントオーバーロウ1
ベントオーバーロウ2

肩幅でバーベルを持ち、両足を腰幅に開いて立つ。背すじを伸ばして胸を張り、股関節を曲げて上体を前傾させてバーベルを膝下で構える。上体をガッチリ固定したまま、バーベルをヘソに向かって引き上げ、元に戻す。


[B]

ベントオーバーロウ3
ベントオーバーロウ4

肩幅でバーベルを持ち、両足を腰幅に開いて立つ。背すじを伸ばして胸を張り、股関節を曲げて上体を前傾させてバーベルを膝下で構える。お尻を後ろに引いて踵に体重をかける。母趾球の真上に股関節が来るように上体を前に移動させて爪先に体重をかけ、バーベルをヘソに向かって引き上げ、元に戻す。


[A or B?]

ベントオーバーロウA
ベントオーバーロウB

jukutoukaisetsu

一流が選ぶのは
「B」じゃ!

背中は胸や肩と比べて鍛えにくいところだが、逆三のシルエットを強調したいなら、ぜひとも鍛錬しておきたいところ。メインターゲットは広背筋。ベントオーバーロウは広背筋を鍛える筋トレの定番だから、まずは「A」のノーマルなやり方をしっかり覚えよ。股関節を曲げた屈曲位で行うと肩関節が伸展しやすくなり、効果が上がる。バーベルトレのビギナーならこのやり方でも広背筋はそこそこ鍛えられる。しかし、「そこそこ」で満足できないなら「B」のやり方を学べ!

CGとは「Movement of the center of gravity」の頭文字を取ったもの。文字通り、重心の移動を伴うベントオーバーロウじゃ。重心の動きが起こると筋トレでは御法度の代償動作(鍛えたい筋肉以外の部位が働く動作。効果を落とす原因)に思えるが、このやり方では代償動作を誘発しておらぬ。スタート姿勢で踵重心、バーベルを引き寄せる際に爪先重心になると肩関節の可動域が広がり、広背筋へのトレーニング効果がアップするぞ。ノーマルのやり方に馴染みすぎている場合、シャフトだけで動きを覚えてからウェイトを上乗せするのじゃ!



shitsugioutou

[質問1]

基礎スキーをやっています。3年前に1級を取り、さらに上を目指して練習中です。スピードが上がるとターン中の外側の足に大きく外力がかかるので、外力を利用して傾きを作ったり、次のターンにつなげます。その外力に耐えられず、自分で膝を曲げてしまっていると人から言われ、自覚もあります。女性だから筋力弱いのは仕方ないですが、私より太ももの細い(!)夫も滑れているので悔しい……。シーズンに向け、さらに力強い滑りをするために体を鍛えたいです。筋力をつけるトレーニングや、コーディネーションのトレーニングなどおすすめのものを教えて下さい。出来れば、元々足は筋肉質なので、あまり太ももの前側は太くしたくないです。(うさこさん、女性、36歳)

kao

単なる筋力の問題ではないのじゃ。股関節の動かし方に問題がある。

これには、二つの要因がある。一つは「股関節内旋」という動きができておらぬこと。もう一つは「股関節伸展」ができておらぬことじゃ。例えば左ターン時の右脚についてじゃが、右脚を踏み込んだ時に骨盤が右向きに水平回転する動きが右股関節内旋という動きである。この内旋動作で一番強いブレーキング動作ができるゆえ、ターンが力強くなる。おぬしは骨盤が左向きになっておらぬか?

次に、股関節伸展じゃ(曲がった股関節を伸ばそうとする動きのこと)。具体的にはスクワットで立ち上がる時の股関節の動きである。股関節伸展は膝関節伸展よりも力が強く、スキーの踏み込み脚が股関節伸展の動きになっていれば強くターンできる。おぬしは膝にばかり意識が行っておらぬか? お尻の力で股関節伸展し、踏み込む感覚が重要じゃ。

上記二つの要因をカバーする一番良いトレーニングは、サイドランジである。

つま先を正面に向けて肩幅の1.5倍程度に横に脚を開き、骨盤ごと状態を右にスライドさせ、右脚に体重をかけて股関節を内旋させながら右脚だけでスクワットのようなポジションになる。もとに戻り、逆脚も同じ事を行うという動き。負荷は好きなだけかけよ。この動きは太ももではなくお尻に強い負荷がかかり、しかも股関節内旋の動きが学習されていくゆえ、スキーのターンには最適じゃ。試してみるのじゃ。

一方、コーディネーショントレーニングであるが、これは残念ながら文章で伝えするには限界がある。強いて一言いうなら、「思った通りの動きができるかどうか」という部分に意識をおいて、ラダーのドリルを何種類も何種類もやってみよ。いつのまにか上手に動けるカラダになっていくぞ。

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監修/清水道場(IPF代表) 
取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 イラストレーション/more rock art all