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Aston Martin DB11 V8|第2の世紀を迎えた最初のモデルはクールビューティ。

2018.05.08

取材・文/石井昌道:雑誌編集経験のあるモータージャーナリスト。
撮影/小川朋央:自然を愛する、のんびり、ときどき突撃型カメラマン。
本誌クルマ担当/ジータ:弱冠23歳のひよっこ編集者。クルマ好きは父の影響。


ジータ:今回は神奈川県の七里ヶ浜にやってきました!

小川:バックに江の島が見えてロケーションは最高! そしてアストンマーティンDB11も最高にフォトジェニックです。

石井:「クルマな週末」では、何か特別な事情があるとき以外は現実的な価格のクルマしか取り上げてこなかった。2000万円以上のDB11を連れ出したその心は?

ジータ:次号から車の連載がフルモデルチェンジ。これが石井さんと乗れる最後の車なんです!

石井:なのだよね。最後はハイパフォーマンスの神髄といっても過言でない、もっともクールで、誰もが憧れるクルマを選んだってわけ。

ジータ:子供の頃から夢にまで見たボンドカーのアストンマーティン、その最新世代はやっぱり最高です。

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石井:エキゾチックなラテン系と違って、イギリスのアストンマーティンはいい意味で控えめ。最高にスタイリッシュでありながら、派手すぎずに上品だよね。

小川:さすがは紳士の国、ジェントルマンなんですね。あ、でもこの美しさは女性的にも思えます。

石井:大きく張り出したリアフェンダーの前方はグッと絞り込まれている。真上から見るとコークボトルのようでもあり、ウェストがキュッと締まっていてセクシーだ。すべてのラインがエレガントで、たしかに女性的といえるよね。アストンマーティンの設立は1913年。100年を超えた第2の世紀に入ってから登場したDB11は、デザイン的にも新しくなった。

ジータ:走りの見どころはやはりエンジンでしょうか?

石井:ツインターボでトルキーなエンジンはドライバビリティが良好。サウンドもエキサイティングでたしかに魅力があるけれど、アストンマーティンが得意とするのは、どちらかといえばシャシー性能。ハンドリングは他に類を見ないほどに素晴らしい。

ジータ:あまりスピードの出せない一般道でも、ハンドルを切れば思った通りに動いてくれて、なんだか運転が上手くなったように感じちゃいました。駐車場では横幅があって大きいなと思っていましたが、走らせるとその大きさがしっくりきて、手に余らない感じでした。

石井:そこは重要なポイント。低速域からハンドル操作に対しての正確性が高く、それがワインディングロードやサーキットでもずっと変わらずに一貫している。前後重量配分は50:50よりもわずかに後ろ寄りで、ペースを上げていくとノーズの軽さとトラクションの良さが強調される。究極のFRスポーツといったハンドリングなんだ。

ジータ:そういう領域まではわかりませんが、本当にいいクルマに乗らせてもらいました。

石井:走らせたらクルマが小さく感じた、というのはなかなかセンスがあるコメントだよ。ジータくんは担当になってわずか半年だけれど、成長スピードが早かったね。ひそかに、この連載を通じてモータージャーナリストに育てちゃおうかと思っていたのだけどね。

ジータ:本当に残念です。皆さん、ありがとうございました。またいつか、お会いしましょう!


Q 美しさと空力が両立されていると聞きましたが。

Aston Martin DB11 V8 2

これほどのハイパフォーマンスカーになると、高速域では空気の力で車体を地面に押し付けることが必要です。手っ取り早いのはリアウィングなどのゴツいエアロパーツですが、それではエレガントになりません。そこでDB11はエアロダイナミクス(空気力学)への新しいアプローチをしています。フロントフェンダー後方のエアアウトレットは、ホイールアーチ内からエアを排出することでフロントのリフトを抑えます。また、バックドアの後ろにはエアの取り入れ口があり、トランク内を通ってテール部分から排出されます。これがリアウィングの代わりとなります。見た目はスマートながら、現代的なエアロダイナミクス性能を発揮しているのです。

Q ボンネットが普通とは逆に開くのはメリットがある?

Aston Martin DB11 V8 2

その昔はスポーツモデルで多かった後ろ開きのボンネット。前開きはワニの口のようだからアリゲータータイプとも呼ばれましたが、その逆ですね。前開きはキャッチ(留め具)が走行中に万一外れてしまうと風圧でボンネットが開いて危険ですが、後ろ開きはその心配がありません。ですからキャッチのロック機構などもシンプルで済みます。もっとも、現代ではキャッチの精度も高いので前開きでも何の問題もないといえるでしょう。エンジンの搭載方法やフロントまわりのデザインなどにメリットがあるかもしれませんが、伝統的なスポーツカーやレーシングカーの趣があることが後ろ開きの最大の魅力ですかね。なにしろ開けていると人目を引きます。


Aston Martin DB11 V8

Aston Martin DB11 V8[アストンマーティン DB11]

伝統的なDBシリーズの最新モデルとして2016年にデビュー。エンジンはV8とV12のそれぞれツインターボ。今回の試乗車はV8だが、パフォーマンスはV12に迫り、ノーズが軽くなるのでハンドリングも抜群にいい。

●全長4,750×全幅1,950×全高1,290mm●エンジン=3,982cc、V型8気筒ツインターボ●変速機+駆動方式=8速AT+FR●乗車定員=4名●車両本体価格=21,093,682円●(問)アストンマーティン ジャパン(TEL)03・5797・7281


Tarzan No. 740 腹トレ×凹メシ 掲載 〉
取材・文/石井昌道 撮影/小川朋央