Nov13Tue

長友佑都選手・緊急インタビュー、トップアスリートの「代謝革命」。

2017.09.29

本誌連載「食事革命」が遂に書籍化! トップアスリート長友選手の代謝の秘密は食事以外にもあった。

エネルギー代謝の効率を上げ、ベストコンディションで試合に臨む。それがプロのアスリートに課された最大の仕事。今年31歳を迎える長友佑都選手は人一倍、その課題に真剣に取り組んできた。詳細は本誌連載「食事革命」でご紹介してきた通りだ。

連載終了後、ワールドカップ最終予選のオーストラリア戦直前、『ターザン』は長友選手に緊急インタビューを行った。生活習慣全般でいかに代謝をコントロールし、どのようなコンディショニングに努めているか。その秘密に迫った。


睡眠はとくに重要。理想は8時間睡眠。

──食事以外で取り入れているコンディショニング法があったら教えてください。

ヨガ、体幹トレ、瞑想もやります。ヨガは寝る前に行うと深いリラックスが得られます。瞑想も寝る前ですね。こちらは毎日ではなくやりたいと思ったときに。

──瞑想! うまく瞑想状態に入れますか?

入れているかどうかは分かりませんけれど、瞑想した後は気分がすっきりして落ち着きますよ。

──コンディショニングのためには睡眠も重要だと思うんですが。

そうですね。最低でも7時間、理想を言えば8時間はとりたいと思ってます。夜中の12時くらいに寝て8時くらいに起きるのがベスト。

ただ、イタリアでは試合が夜8時45分から始まります。そうするとホームのゲームでは家に帰るのが11時か12時。アウェイでも絶対家に帰るので、深夜の3時4時に帰宅することになります。それでその日の午前中から練習があったりすることも。

睡眠はとれるときはとれますけど、とれないときは全然とれない。睡眠時間が3〜4時間という日が週2回くらいあります。

──そういうときの対処法は?

日中眠いので昼寝の時間を1時間くらい設けます。その日は早めにぐっすり寝れば解消できます。

──ワールドカップシーズンは移動が多いですよね。時差ボケ対策などはどうしているんですか?

そうですね。今回のスケジュールで言うと、イタリアから日本に帰ってきて1週間くらいしてイランに行って試合をして、また日本に帰ってきてその後イタリアに渡ってという日程。こうなるともう何をやってもダメ。

無理に睡眠をとろうとして神経を使うと逆にストレスがかかるので、眠りたい時に寝るという感じです。ドクターから睡眠薬をもらって飲んだこともありますが、翌日のカラダの感覚がよくなかったです。

今は眠れないんだったら寝なくていいやと思うように。その方がかえってリラックスに繫がって眠れるような気がします。

長友1

ケガのリカバリーには一に休養、二に食事。

──オンとオフの過ごし方について教えてください。

オフの期間は大体3週間です。そのうち1週間くらいは完全オフ。2週間目にジョギングやヨガ、筋トレなどを始めて、最後の1週間でボールを蹴ったり瞬発系のトレーニングを入れて、サッカーに近い動きを取り入れていきます。

──食事面ではどうですか?

オフでは食事の量が減るので体重が落ちますね。僕は普段からあまり量を食べる方ではないので。でも、オンの期間は“食トレ”のモードに戻して必要な食事量を摂るようにしています。

──カラダに違和感を感じたときやケガをしたときのリカバリーについてですが、何かコツのようなものはありますか?

まずは無理をしないことです。休む勇気を持つことが大事。僕も若い頃は休むことが怖かったんですけどね。休んだらパフォーマンスが落ちるんじゃないかと。

──分かります。市民ランナーにはそういうタイプが多いですよね。休んだら脚力やタイムが落ちるんじゃないかと不安になってしまう。

でも、それが逆に大きなケガに繫がってしまうこともあるんです。実際、僕も2015年のシーズンはケガ続きでした。

──今は休養が必要だと思ったら適切に休めているんですね?

気持ちよくしっかりプレーができる状態になるまで休みます。1日でも2日でも休んで調子を見て、その間は焦らずに、食事やエクササイズでリカバリーをしていくという感じです。

──そういうふうに考えられるようになったのはごく最近ですか。

はい。30歳を越えてから、この1年半くらいです。ちょうど「食事革命」を始めたのと同じくらいの時期。筋膜炎や肉離れといった筋肉系のケガは無理をすると逆にひどくなります。

外からマッサージをしても対症療法にしかならないので食事でリカバリーをすることが重要。中から細胞レベルで変えていかないとリカバリーに繫がらないので、休養と食事が一番大事だと思います。

長友2

カラダとの対話力が増し、味や食感に敏感に。

──やはり「食事革命」は長友さんにとって大きな転機だったんですね。

食事を見直すことですべてが変わったような気がします。とにかくカラダの声に敏感になりました。

たとえば、同じ肉料理でも油が少しでも入ったものを口にすると胃がもたれてしまうというように。いつも、肉はシンプルに焼いて最小限の調味料で食べているので、それと違うものを口にするとカラダがいつもと違う状態になるんです。

──それだけカラダの声に敏感になってしまうと、料理を提供するシェフも大変ですね(長友さんは現在、毎日の食事を専属シェフに提供してもらっている)。

まさに、そうなんです。ちょっとした調味料の使い方、味の違いに気づくようになってしまいましたから。食材の切り方がいつもと違うということも分かります。

──切り方まで?

八百屋さんで売っていたカット野菜を出されたときに、ひと口食べて“これシェフが切ったの?”と突っ込んだことがあります。

──シェフの苦労をお察しします(笑)。今後もますますカラダとの対話力が進化していきそうですね。


●ながとも・ゆうと 2010年にイタリアに渡り、現在は名門インテルに所属。30歳目前に食事の摂り方を改革。そのプロセスは本誌連載「食事革命」に詳しい。2018ロシア・ワールドカップ日本代表としての活躍が期待される。




長友佑都の食事革命

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Tarzan No. 727 上げろ! 「代謝力」 掲載 〉
取材・文/石飛カノ 撮影/中島慶子 スタイリスト/池田 敬 ヘア&メイク/髙取篤史(SPEC)