Dec10Mon

寝ないと太る! 肥満と睡眠の関係は?

2018.09.16

充実した睡眠はカラダ作りにおいても重要。特に入眠してまもなくは、筋肉合成や脂肪分解などに働く「成長ホルモン」が分泌される。

「最も眠りが深くなる寝始めの3時間には成長ホルモンが盛んに分泌されます」と話すのは、肥満外来専門医の佐藤桂子先生。長年肥満治療に携わるなかで編み出したのは、成長ホルモンの働きに焦点を当てた「3・3・7睡眠法」。

(1)寝始めの3時間は中断せず寝ること、(2)夜中の3時には寝ていること、(3)1日トータルで7時間は寝ること。これらの3つのルールを守るだけと実に簡単。

3・3・7睡眠法

「ダイエットは健康に付随するもの。また良質な睡眠は運動の成果やパフォーマンス向上に繋がります」

睡眠時間は足りているのにカラダがだるい、昼食後眠気に襲われる、移動中の電車で爆睡してしまうなど、思い当たる人は、残念だが睡眠の質が悪い可能性がある。

3・3・7睡眠法に+αで、寝具や寝室環境を変えたり睡眠に対する意識を改めれば、ふか〜く眠れるようになり、太りにくいカラダになれるはず。ぜひ今晩から実践を。


POINT 1|寝具の選び方

睡眠時、地肌に触れる寝具で寝心地は大きく左右される。睡眠中に起きる腰痛の原因として考えられるのは敷布団。硬すぎるものや薄すぎるものは背中から尻にかけてのS字にフィットしにくく、血流悪化のリスクを伴う。

また枕は頭と首のラインを保てる形状であり、寝返りを打ったときに頭が落ちて睡眠が中断されないよう、大きめのものを選ぶのがベター。素材やクッション性の好みは人それぞれ、購入前に実物を試しておきたい。

寝具を携行するアスリート
寝具にかける出費は未来の自分への先行投資。遠征先に寝具を携行するアスリートにとっては、安眠できる環境も含めプライスレス。

寝具が睡眠や日常の作業の質にどれほど影響するかは、多くのアスリートが国際試合の会場にマイマットレスを持参することからも明らかだ。もちろん我々だってカラダが資本。ココは多少奮発してでも、自分好みの寝具を揃えよう。


POINT 2|一晩で300kcal

300kcalを消費するにはランで30分、水泳は20分かかるのを思えば驚異的な消費量だ(体重65kgの場合)。
「睡眠中の消費カロリーは、寝ている間も絶えず内臓が働き、体温を維持するために消費される基礎代謝が行われているからです」(佐藤先生)

約300kcalの食べ物
約300kcalの食べ物となると、ざるそばやクリームパン、餃子1人前(6個)に匹敵。これらを一晩の睡眠で消費しているということ。

眠りが浅かったり睡眠時間が短くなると、基礎代謝や成長ホルモンの分泌が70%近くも減少。質の低い睡眠では、200kcalしか消費しないことに。

また睡眠不足になればホルモンバランスが乱れて、食欲を抑えるレプチンが減少すると同時に空腹感を促すグレリンが増加。さらに食の嗜好まで変わり、ヘルシーなものよりジャンクフードなどを欲するようになるというデータも。


POINT 3|温度と湿度

ぐっすり眠るには寝室と布団の中(寝床内気候)、両方の温湿度に配慮すべし。理想的な寝室の湿度は50〜60%で室温26度。寝具やパジャマなどで調整し、寝床内は湿度40〜60%に保つと一年中快適。

人間が気温のストレスを受けない温度は29度とされるが、寝床内気候は睡眠中の体温の変動や発汗、または室内の温湿度から常に変動する。また就寝前や睡眠時は日中の活動時より深部体温が下がるので、寝床内は32〜34度が最適温度だ。

寝室の加湿器
睡眠中は鼻や口の粘膜が無防備になりがち。寝室の乾燥対策に加湿器を使うなら、カビや微生物の発生・繁殖防止はマストだ。

温度と湿度の変動はレム・ノンレムのスイッチにも影響するので、眠り始めはエアコンで調整し、睡眠の後半にエアコンがOFFになるようタイマーで設定すれば、起床に向けてのゆるやかな体温上昇もスムーズに。



佐藤桂子先生

佐藤桂子先生
●さとう・けいこ 30年間で3万人以上の患者の肥満治療に携わる肥満外来担当医。日本肥満学会をはじめ複数の学会に所属。多くの症例から睡眠と肥満の関連に気づき、『ダイエット外来の寝るだけダイエット』(経済界)などの書籍を多数執筆。


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Tarzan No. 749 二度と太らない!掲載 〉
取材・文/門上奈央 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 イラストレーション/山崎真理子

パジャマ(NOWHAW/nanamica)22,000円、(問)nanamica DAIKANYAMA(TEL)03・5728・6550。