Sep23Sun

陸上短距離・藤光謙司選手のインナートレ拝見!

2018.03.13

走ったときに負荷に耐えられるカラダを作りたい。

昨年開催された、世界陸上での4×100mリレーで第4走者を務め、見事、銅メダルに輝いたのが藤光謙司である。彼は大学時代を振り返って、こう語り始めた。

「僕らの時代は、補強(運動)というと、腹筋や背筋とかが主流だったんです。でも、これらの運動は、走りに生かされない。なぜなら、走るときに腹を屈曲させたり、背を反らせたりということはありませんから。だったら、体幹を中心とするインナーマッスルを鍛えたほうがいい、と考え始めるようになったんです」

藤光は走り方や、カラダの使い方といったことを、あまり習ったことがない。自分の感覚を頼りにトップアスリートに上り詰めた、稀有の存在なのだ。だから、インナーマッスルを鍛えるトレーニングも、大半は自分で考えて実践してきた。

「よく腹横筋とか、腸腰筋とかいいますが、結局、すべての組み合わせで走りは変わってくると思うんです。だからパーツパーツではなくて、自分の強みを出すために総合的に鍛えられるように意識しています」

藤光謙司
YUTAKA/アフロスポーツ

とくに、彼が大切に思っていること、それが、耐えられるカラダだ。

「車でいえばボディ。これが弱かったらスピードに負けて壊れてしまいます。だから、カラダの耐久性はすごく重要。体幹のインナーを鍛えるというのは、カラダの強さというよりは、負荷に耐えられるカラダを作るトレーニングだと考えています」

藤光は日々、自分がよいと思うものを模索している。それだから、トレーニング方法も選手生活を続けるなかで、カタチを変えていっている。

「こうすればもっと効くとか、こうすればもっと走る動作に近づけるとか、いろいろと考えていますね。そういう試行錯誤をすることで、トレーニングを進化させたいし、走りを向上させていきたいんですね」


TRAINING

トレーニング1
体幹をまっすぐに保ち、腕振り動作を再現する。
肘を立ててバランスボールに乗せ、爪先を床につけてカラダを一直線に。全力で肘の曲げ伸ばしを繰り返す。体幹を保ち、腕を振る走りの動作に繋がる。10〜20秒行う。100mは10秒、200mは20秒ほどで走り終えるからだ。
トレーニング2
ひねりの可動域を大きくして、脚の大きな動きを作っていく。
膝から下をバランスボールに乗せる。手のひらを床につけてカラダを一直線に。限界まで骨盤を片側へとひねり、また戻って今度は逆側にひねる。体幹を固定したうえで、ひねりの可動域を大きくし、脚の大きな動きを作る。
トレーニング3
クラウチングスタートの動きで、股関節の可動域を広げていく。
片脚の脛をバランスボールに乗せる。逆脚は膝を曲げて前方へ。手のひらを床につけてカラダを一直線に。曲げた膝を後方へと押し出し、ボールに乗せた脚の膝を曲げ、前方へ。全力で繰り返す。クラウチングスタートの動き。

●ふじみつ・けんじ 2010、15年、日本選手権200mで優勝。アジア大会は10年に200m2位、15年に4×100mリレーで優勝。世界選手権は13年に4×100mリレー6位、15年に200mで準決勝進出、17年に4×100mリレー3位。ゼンリン所属。


Tarzan737号では、ラグビー選手や舞台俳優のインナートレも紹介!


Tarzan No. 737 インナーマッスルの全て 掲載 〉
取材・文/鈴木一朗 撮影/藤藪悠記