Dec12Wed

よかれと思って食べてる食材、ほんとに大丈夫?

2018.02.25

巷に飛び交う食の健康情報。いいイメージを鵜のみにしていないか? 情報は正しいか?
毎日食べるものだからこそ、細心の注意を払おう。さあ、いまある食の知識の棚卸しだ。


太りたくないから0キロカロリードリンクを選ぶ。

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0といったって、法令では食品なら100g、飲料なら100mlにつき糖類が0.5g未満ならゼロを謳っていいことになっているから、カロリーがまったくないわけではない。

「人工甘味料を大量に使っている製品もあります。“人工甘味料が腸内細菌を介して肥満や糖尿病の発症に影響を与える”という研究結果も発表されています」と指摘するのは内科医の関由佳さんだ。

腸が炎症を起こしやすい人や便秘などを抱えている人は、頻繁に摂るべきものではない。

「たとえ人工でも、消化管にあるセンサーが甘みを感じるとグレリンが分泌され、食欲が増進し、過食に陥りやすくなります」(河村さん)

甘い話に簡単には乗らないことだ。


新鮮なカット野菜でビタミンをまとめ摂り!

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店頭に並ぶサラダ用のカット野菜は、袋から出せばすぐ食べられて、便利この上ない。

「多くの商品は食品の衛生管理基準に従って次亜塩素酸ナトリウムで殺菌、消毒した後、大量の水で洗浄されるものが多いので、ビタミンの流失が免れません」(河村さん)

とはいえ、食物繊維は補給できるから、他のおかずに加えては?

「千切りキャベツに大きな期待はできませんが、カット面の少ないレタスなどを選べばいいでしょう」


水は毎日2L以上飲んで、デトックスに励む。

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安静にしていても人体は日々、呼気から300ml、皮膚から500ml、尿でも500mlぐらいは水を排出し、その他もろもろを織り込むと、大体2〜2.5Lぐらいの水を失う。

「食事で約0.8Lの水分を摂れますから、運動中の水分補給を除けば、1.2〜1.7Lを数回に分けて飲めば十分です」(河村さん)

水は飲むほどいいと思い、飲み続ける人もいるが、消化器にとってはいい迷惑。尿量が増えれば腎臓の負担になる。腹は下るし、果ては血液が薄まり、低ナトリウム血症となる。

「初期症状は顔のむくみぐらいですが、悪化すると頭痛がひどくなり、最悪の場合、命を落とします」

電解質を含むスポーツドリンクはその点で低リスクだが、がぶ飲みすれば糖質摂取過多から肥満を招く。


デスクにナッツを常備し、おやつを低糖質に。

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ふと口寂しくなる午後のオフィスで、糖質を避けナッツでチャージしたり、酒席でぽりぽりやる人は多い。食物繊維は豊富だが、ちと脂質が多いのが気になるところ。

「ミックスナッツは約50%が脂質ですから、高脂質な食品であることは間違いありません。食べ切りサイズの個包装の商品は20〜30g程度ですが、1回の推奨量はせいぜい10〜15gぐらいです」(河村さん)

おいしいからと、むやみに食べ続けては、ぽっこり腹が待っている。

「ピーナッツをはじめ、ナッツ類はカビが生えやすく、そのカビ毒であるアフラトキシンには発がん性のあることが知られています」(関さん)

保管状態のよくないものや古いナッツにはくれぐれもご用心!


タンパク質は摂り過ぎるくらいがちょうどいい。

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日本人の食事摂取基準を見ると、1日当たりのタンパク質の推奨量は男性60g、女性50gとなっているが……。

「長期間の過剰摂取は一時的に腎機能や血液検査の値を悪くしますが、やがてカラダは適応し、正常化するとする研究があります」(河村さん)

とはいえ、タンパク質だって摂り過ぎれば当然肥満の一因になる。

「尿中へのカルシウム排泄を促すので、骨粗鬆症や結石のリスクを増す可能性もあります。やはり推奨量にとどめるのが安全ですね」


食物繊維はとにかく目いっぱい食らうのだ。

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ダイエットで食事量を削ると便秘になる人がいる。そこで、便のかさを増し、腸管に刺激を与えるべくモロヘイヤ、ゴボウ、レンコンなどで不溶性食物繊維を目いっぱい摂り、便秘解消をもくろむ人が現れるが……。

「便秘には弛緩性と痙攣性の2種類があり、弛緩性なら不溶性食物繊維が腸の蠕動運動を促し、便通の改善に役立ちますが、痙攣性だと逆に便秘が悪化することもあって、摂り過ぎは考えものです」(河村さん)

食物繊維を増やすなら十分に水分を補給しないと便秘は募るし、

「腸内でガスが発生し膨満感を生じます。悪玉菌の増える可能性も考えられ、あまりいい状態ではないですね。食物繊維は急にではなく、徐々に増やすのが賢明です」(関さん)


朝の定番チーズ&ハム。きょうも栄養は万全だ。

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保存しやすく、手軽にタンパク質を補給できる加工済み肉は朝の定番。食べればすぐにカラダが温まる。

「ハムやベーコンには発色剤として亜硝酸ナトリウムが使われることが多い。チーズには発酵調整剤として硝酸カリウムの使用が認められていますから、摂り過ぎるとリスクを生じる可能性があります」(関さん)

これら2つの硝酸塩が体内でアミンと反応すると、発がん物質ニトロソアミンとなるのは知られた話。重ね食いは避けるのが賢明か。


ビタミンはサプリで、どこまでも底上げを狙う。

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脂肪組織に蓄積しやすいから、脂溶性ビタミンの過剰摂取だけは避け、水溶性はど〜んといこう。余れば、どうせ尿や汗に抜けてくれるから。

「通常食で暮らしている分には過剰摂取になることはまずありませんが、ビタミンを添加してあるプロテインや、サプリを摂り過ぎると過剰症の恐れが生じます」(河村さん)

水溶性でもビタミンB6(60mg)、葉酸(1000μg)、ナイアシン(350mgNE)には耐容上限量がある。多けりゃいいもんではない。


〈ADVISER〉

河村玲子さん
河村玲子さん
管理栄養士、パーソナルトレーナー

●かわむら・れいこ 管理栄養士。パーソナルトレーナーとしても月130時間のセッションを指導。ファンクショナルトレーニングなどにも造詣が深い。サーフィンやゴルフなどのパフォーマンス向上の指導も。https://ameblo.jp/pdt-reiko/
関 由佳さん
関 由佳さん
内科医、メディカルフード研究家

●せき・ゆか 内科医、メディカルフード研究家。野菜ソムリエ、味噌ソムリエ。岡山大学で発酵食品と腸内環境の研究を行っている。著書に『ゆるゆる糖質オフダイエット』(主婦の友社)など。https://ameblo.jp/dr-yuka/

『Tarzan』736号では食のやってはいけない! を様々な角度から紹介しています。


Tarzan No. 736 やっては、いけない! 掲載 〉
取材・文/廣松正浩 イラストレーション/miltata 取材協力/河村玲子(管理栄養士、パーソナルトレーナー)、関 由佳(内科医、メディカルフード研究家)