Sep23Sun

黒林檎城の秘密を暴け! 少年探偵VS怪人内臓脂肪

2018.01.09

町にはびこる悪の親玉、怪人内臓脂肪こと黒林檎男爵に少年探偵団が挑む。痛快誌上活劇の開幕!

第一章|町を荒らす悪者のボスは誰だ!?

ここ最近、町の様子がおかしい。明かりが消えて視界がすっかり暗くなり、水道水が砂糖水のようにベタベタになり、排水溝が詰まって脂っぽい悪臭がそこらじゅうに漂っている。心労で病に臥した町会長の依頼を受けたのは、少年探偵団・BMI。団長の大林少年と団員たちが今夜も町をパトロールしていると……。

少年探偵とアディポサイトカイン団
町を荒らすアディポサイトカイン団たち。

「団長! 怪しいヤツらがあそこに!」

「おまえたち、何をしている!? 街灯を壊すな! 水道管に砂糖を注入するな! 排水溝にギトギト脂を詰め込むな!」

「チッ、見つかったか。うるさい小僧たちめ!」

「一体、何者だっ!?」

「オレの名はレジスチン。あっちのヤツのコードネームはTNF-αで、そっちはPAI-1、FFAにHB-EGFに……ええい面倒くさい。全員まとめてアディポサイトカイン団だ!」

メタボを促す生理活性物質。
メタボを促す生理活性物質。
過剰に蓄えられ、肥大化した内臓脂肪からは糖質や脂質の代謝を低下させたり、血管を狭くし、血圧を上昇させる各種アディポサイトカインが分泌される。

「どこが痒いんだか知らないが、なぜ町を荒らすんだ!?」

「……痒いんじゃない。アディポサイトカイン団だ。オレたちは、とあるボスの指令で仕事をしているだけだ。邪魔をするなっ」

「とあるボスだって?」

「そうだ。ボスの正体が知りたかったら、あそこに見える黒林檎城に行ってみるんだな! ただし、ボスはどえらい悪者だから、どうなっても知らないぞ!」

「黒林檎城……?」

大林少年は、遠くにぼんやりと浮かぶ城のシルエットを仰いだ。


第二章|アジトでボスと対決だ!

その城の黒く重い扉はパツパツでツルツル、ノブがなく掴みどころがないので、探偵団全員で押しまくり、ようやく開けることができた。城の奥へ進んでいくと黒く大きな塊が闇の中で蠢き、喋った。

「フフ、ようこそ我が城へ」

「むっ、ポテチを食べながら寝っ転がってご挨拶とは、横着にもほどがある! しかもすごい出腹だ。おまえが町を荒らす奴らのボスか!?」

「いかにも。私が黒林檎男爵だ」

今から18年前の2000年、「新しい肥満の判定と肥満症の診断基準」が発表された。中でも病気のリスクの高い従来のリンゴ型肥満は内臓脂肪型肥満とされ、高血圧や高血糖、脂質異常症などのリスクを持つ場合は「メタボリックシンドローム」と呼ばれることに。

内臓脂肪型肥満の指標はBMI25以上、男性の場合はウェスト周囲が85cm以上、内臓脂肪面積100cm2以上だ。この指標を超えると、内臓脂肪からは、TNF-α、レジステン、PAI-1、などなど各種の生理活性物質がバンバン分泌されるようになる。アディポサイトカインと総称されるこれらの物質が、高血糖や高血圧、脂質異常といった症状を引き起こし、将来的には動脈硬化を促すと考えられている。

内臓脂肪面積100cm2がピークに。
内臓脂肪面積100cm2がピークに。
検診・人間ドック施設での1万例のデータ。ヘソ回り断面の内臓脂肪面積が100cm2以上になると、メタボに関するリスクが1以上になる。一方、日本人は欧米人ほど脂肪を溜め込む能力がなく、男性の場合この100cm2前後の状況がピークになる。(日本内科学会雑誌 105巻9号より)

「って、人ごとみたいに言ってるが、黒林檎男爵! そもそもおまえがアディポサイト痒いんだの元凶じゃないか!」

「最後の痒いんだは意味分からんが、確かにその通り! 私は世の人々が忌み嫌う大悪党! おまえら全員生活習慣病にしてやるわ!わははは!」

「くそう、そうはさせないぞ! こうしてやるっ!」

「うっ! 何をする!? 私に野菜とかきのことか赤身肉をぐいぐい押し付けてくるんじゃない! くそっ、おまけにポテチ切れか!」

「逃がさないぞ! 待て〜っ!!」

カンカンカンカンカン……逃げる者と追う者の足音が、螺旋階段にこだまする。

螺旋階段を逃げまどう黒林檎男爵
螺旋階段を逃げまどう黒林檎男爵を追え!

黒林檎男爵を追い詰めた少年探偵団! そこで明らかになる男爵の真の姿とは…!? 『Tarzan』733号につづく!


Tarzan No. 733 「内臓脂肪」の減らし方 掲載 〉
文/石飛カノ イラストレーション/寺西 晃