Nov23Thu

人の本性は寝ている姿に表れる!?「寝相診断」

2017.11.12

寝相と性格には、いったいどんな関係が?
代表的な4種類と特殊な寝相を一部紹介!

寝相とは自分が最も眠りやすい格好。カラダに痛むところがあれば、そこをかばうような寝姿になりそうだが、ココロはどうか? 小心者と豪傑では、寝相は違うような気もする。ココロ、つまり性格と寝相に関係はあるのか?
「これを解明しようとした人がいました。いまから40年前の1977年、アメリカで出版された『スリープ・ポジション』という本は精神分析医、サミュエル・ダンケル先生が人の性格と寝相の関係をまとめたもので、その寝相は36種類にも及びます」と紹介するのは松浦倫子研究員(エス アンド エー アソシエーツ)。
以後も同様の研究は欧米で何度かされているが、読んでみると妙にうがったその指摘。当たらずとも遠からずか。あなたの寝相はどれかな?


Basic Position 1【仰向け】

仰向け

世界はオレの思いのまま。男性の大多数はこの寝相。
寝姿勢は本来プライベートなもの。けれど、この体勢で寝る人は不安がなく、自信があり、
「個性的で注目されがち。拍手喝采を浴びることに向いたプロの演劇人に多い性格だとダンケル先生は見ています」と松浦研究員。
ご覧の通り、堂々の眠りっぷりは、その威容から業界では(どの業界だ!)王様型とさえ称えられる。ザ・仰向けで爆睡するさまは、開放的であると同時に“オレさま”感が丸出し。世界は私のためにあると思い込むやんちゃ坊主の自信の源泉は、ちやほやと大事にされてきた幼少期の影響か。


Basic Position 2【半胎児型】

半胎児型

万事ほどほどの自然体でよき市民は軽〜く丸まる。
軽く膝を曲げて横を向き、カラダは伸び切らず、縮こまり切らず。接地面積は狭いが、力みはない。
「ダンケル先生によると、寝返りも打ちやすい、一番バランスのとれた寝姿勢です」
また、右利きの人(研究対象の75%)は右手を下にして寝ることが多いそうな。これは寝入りばなも熟睡中も共通する傾向らしい。
リラックスした体勢からうかがわれるように、過度のストレスはなく、良識的で社会によく順応し、性格的にも安定しているとか。
「分析によると他者に支配的、依存的なほど弱くもありません」


Basic Position 3【胎児型】

胎児型

いじけ、引きこもるような寝姿には疾患の可能性も……。
横を向いて何かを抱え込むかのようにカラダ全体を丸め、お腹を隠すその姿はまさしく胎児。
「ダンケル先生によると、開放的ではなく防御的。何かに頼りたいのでしょうか。ベッドの中でも真ん中では落ち着かず、つい隅で丸まりがちだそうです」
それが喜ばしいことでも困難なことでも、さまざまな経験にさらされることを嫌がるとダンケル先生は見立てるが、当たってる?
また、本来の寝姿勢から急に胎児型に変わった場合、背後に疾患の存在する確率が高いとの指摘も。自覚があればご用心を。


Basic Position 4【うつ伏せ】

うつ伏せ

無気力なのではなく、むしろ支配欲ぎらぎらで保守的、か。
刀折れ、矢尽きたか、ドブの中で死すとも前のめりなのか。ばんざ〜い、非暴力・無抵抗の姿は、すがすがしいばかりに潔い。
「どちらかというと一人でベッドを支配したい心理をダンケル先生は見ています」と逆のご指摘。
仕事もプライベートも自分がきっちり手綱を取って、計画通りに進めたがるから、他の人が遅れようものならテンパる。その一方、思い通りにならなければ、“なる”ように人一倍努力する面も。
「就寝中に誤嚥の増える高齢者には有効かもしれませんが、寝返りがしにくい寝姿勢です」


番外編! 奇特な寝相は睡眠が浅い証拠か否か。

Special Position 1【スフィンクス】

スフィンクス

浅い睡眠でもいい。あと少しだけ!
すいません、あと5分だけ寝かせてください。膝でしゃがみ、背中を持ち上げた寝姿は二度寝をせがむよう。「すぐに起きられるようにしている姿勢だそうです。私もあまり深く寝たくない仮眠のときは、結構このスタイルです」。だが、往々にして睡眠の質は悪い。通常は子どもに見られる寝相だが、大人にもこれで寝ている人はいる。呼び名のように勇ましくはないが。


Special Position 2【ミイラ】

ミイラ

逃げているのは自分自身からか?
全身すっぽり布団にくるまれた姿は、もはや誰かではなく、ほぼ荷、1個口です。少々の息苦しさなどものともせず、世間に背を向け「現実逃避型、でしょうか。大きな部屋では落ち着けず、部屋の隅に撤退しがちです。大切な何かを身近に置いて眠りたがる傾向がある、とダンケル先生は書いています」。とりあえず、起きるまでコミュニケーションする気はゼロです。


Special Position 3【もたれかかる人】

もたれかかる人

無気力な寝姿勢ながら腹に一物?
何やら思案していそうで、アンニュイな寝姿はどこかで見たことあるような。おぉ、そうだ! 古代ギリシャ、ローマの貴族が寝そべり、食事を楽しむあの姿。寝たまま食べるという究極の無精者ではないか。「寝具でも寝姿勢が変わることはあります。一般的に高さが足りないなど、枕が合っていないと手が上がってきがちです。性格面では二面性の指摘があります」。


Special Position 4【ヒトデ】

ヒトデ

王様より尊大な、さらに王様な。
仰向け(王様型)と似ているが、腕と脚を自由奔放に広げて投げ出す姿は「自尊心が高く、自己を美化しているとの分析です」。ただし、寝室の環境次第で寝相は変わる。寒ければ丸まり、暑ければ広がり放熱を促す。王様より王様な寝姿も、夜半に冷え込めば胎児になっているのかも。寝入りばなと目覚め直前の寝相を人は覚えていがちだから、そのときだけの姿なのか。


Special Position 5【スイッチ】

スイッチ

世の中に逆らい、足を休める。
寝床で上下反転、なぜか枕に足が乗る。「これは結構気持ちいいです。足枕という寝具もあるくらいで。古くから靴を履く文化だったヨーロッパでは、日中働いた足を枕に乗せて休ませるという考え方があるそうです」。とはいえ、明らかにおかしな寝相の背後には、本人の存在自体の混乱もダンケル先生は見て取る。「ただし、お尻が落ちるので寝返りは困難になります」。


『Tarzan』730号では、「寝返り」についても解説しています!


Tarzan No. 730 7つの鍵で開く、睡眠の門 掲載 〉
取材・文/廣松正浩 イラストレーション/平井さくら 取材協力/松浦倫子(エス アンド エー アソシエーツ シニア研究員、学術博士、上級睡眠改善インストラクター、江戸川大学睡眠研究所客員研究員)