Dec10Mon

自然の中で飲みたい、高尾生まれのビール!

2018.06.22

初夏の心地よい暑さで高まる“ビール欲”は、高尾山の麓で満たしたい。ここで飲める《高尾ビール》の存在を知ったら、そう思えるはずだ。

手がけるのは、デザイン関係の企業を脱サラしてから醸造業を学び、昨年〈おんがたブルワリー&ボトルショップ〉を立ち上げた池田周平さん。

「登山好きが高じて4年前に高尾へ引っ越したのですが、夜飲みに行けるお店が意外なほど少なかった。高尾山自体は人気でも、都心が近すぎて結果的に人が留まらないんですよね。そんな状況を見て、高尾の街にわざわざ来たくなるきっかけを作ろうと思ったんです」

高尾ビール 池田周平さん
高尾ビール 池田周平さん

池田さんが造るビールは山との相性がいい。高尾山の新緑をイメージして桑の葉茶を加えた《OH! MOUNTAIN》や、IPAの苦味に爽やかなパッションフルーツが香る《森は生きている》は登山の後に楽しみたい一杯。“スタバがビールを造ったら?”がテーマの《Tall Nutty Vanilla Stout》や八王子小麦を使った《NOMU PAN(飲むパン)》は味だけでなくそのネーミングにもやられる。何より、原料の多くが近郊の農家で収穫されている地域密着ぶりに“高尾愛”を感じずにはいられない。

ビール
右から《森は生きている》、《OH! MOUNTAIN》、《Tall Nutty Vanilla Stout》。

ところで、なぜビールに目をつけたのだろうか。

「もともとビールが好きでしたが、一番の理由はポートランドの山々を登ったことですね。向こうでは麓に必ずブルワリーとバーがあって、山好きの社交場になっている。そんな文化に触れたとき、ビールと山の関係を日本にも根付かせたいと思いました」

池田さんの元には多くの登山客が訪れ、併設されたボトルショップが初心者・ベテランの隔たりない情報交換の場となっている。場所も高尾山・陣馬山両方の登山口からアクセスが良く、“シメのご褒美”にぴったりなのだ。

高尾ビールは高尾駅近くの酒店で買うこともできる。

「置いてもらっているのは、昔からある地元の酒店だけです。今後も地域の方と協力しながら認知度を上げていきたいです」

池田さんの“高尾愛”溢れるディレクション、恐るべし。新たなビアカルチャーが高尾の名物になる日はもうすぐだ!

醸造機など
醸造機(左)はバークレーから取り寄せたもの。

お米や小麦など、高尾ビールの原料の一部は近所で採れたものが使われ、なかには寒冷な高尾の気候だから育ったという自家製ホップも。醸造の際は麦汁作りから発酵、熟成、瓶詰めまで、全ての工程がこちらのスペースで行われる。

高尾ビールの醸造方法は最後まで酵母を取り除かないのが特徴。瓶詰め後もわずかに発酵が続く“生中の生”な状態だから、ぜひ一番美味しい出来たてを飲みたい。


高尾ビール

高尾ビール
〈高尾ビール おんがたブルワリー&ボトルショップ〉東京都八王子市下恩方町1557、電話番号は非公開。営業時間:金・土12:00〜17:00(不定休あり)。営業状況はtwitter(@TakaoBeerCo)で閲覧可能。高尾駅(JR・京王線)北口より西東京バスで10分、川原宿大橋バス停下車徒歩5分。http://www.takaobeer.com/


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取材・文/山梨幸輝 撮影/大嶋千尋