Dec18Mon

「やっぱり、走る奴は馬鹿でした。」作家・松久淳さんインタビュー

2017.10.20

本誌連載「走る奴なんて馬鹿だと思ってた」の畳み掛けるようなギャグ&臨場感に、すっかりハマっている読者も多いことだろう。次はどうなる?という期待感はもうランニング界の“半沢直樹”。で、ご本人に話を伺うことにしたところ、

「面白さだけを追求して書いているので、持久力アップの役には全然立たないと思いますけど……」

申し訳なさそうに言う。そもそもは自称・重度の自律神経失調症から脱却するために始めたランニング。

「具合が悪くなるたびにジムに行って運動しようとした歴史が5年くらいあったんですが、3日どころか3分で飽きてしまって。でもさすがにもう運動しなきゃダメだろうという危機感から走り始めました」

最初のうちのシューズは近所履き用ナイキのスニーカー。ランシューを購入したのは5km走れるようになってからというのもすごい話。

「靴の用途は未だに分からないです。アマゾンで27cm・オレンジ・5000〜1万円で検索してポチッとしてます。何がいいのかどう違うのかはまったく分かりません」

ジャイアンツカラー以外には一切こだわりなし。いっそ清々しい。

ランニング時の三種の神器
ランニング時の三種の神器
勇者のアイテム?ランニング時の三種の神器。
街走りの際、ランアプリは必携。サングラスとグローブはジャイアンツのイメージカラー、オレンジ×黒だが、実はスワローズファン。

ランニングはドラクエです!

連載5回目には足首をぴっきぴきに痛めて「インピンジメント症候群」に。みなまで言わないが、その後も故障の嵐に見舞われる。

「今年も2月、3月とアキレス腱を痛めていました。負けるものかと思って、治る→走る→痛むを繰り返して、ついに治るが痛むに勝った瞬間がありまして。ザマアミロ!と思いました。誰にって……自分の足に」

なぜそんなにしてまで歯を食いしばりキミは行くのか?

「根性とかじゃないんです。僕は几帳面なマニア体質なんですが、たとえば『ドラゴンクエスト』である村に行ったとき、割ってない壺や開けてない引き出しがあるのが嫌なんです。何かのイベント後に村人のセリフが変わることがあるので村人全員にも話しかけます。そういうコンプリート癖がありまして。ケガをしてまた走り出すのは壺割りたいという衝動と一緒です」

分かるような分からないような。

「壺割ってフルマラソン走れるようになったのにそれ以外の運動能力が向上してる気配がないんです。駅の階段も上れないし持久力がないので走ると昼寝がはかどります。でも、今から走ったら疲れて仕事ができないなと思いつつ意気揚々と走り出しちゃう。走る奴ってやっぱり馬鹿なんだな〜と思います」

今後もランニング馬鹿の走りっぷりに乞うご期待。

松久淳さん
●まつひさ・あつし 40歳でタバコをやめ、45歳で走り始め、来年迎える50歳ではひょっとして酒をやめる(かも)という走る小説家。東京マラソン今年も抽選落選、「『ターザン』連載効果なし!」と理不尽なクレーム中。

松久淳さんの連載「走る奴なんて馬鹿だと思ってた」は『Tarzan』に毎号掲載中!


Tarzan No.728 走る、燃やす、強くなる! 持久力UP! 掲載 〉
取材・文/石飛カノ 撮影/大嶋千尋