Sep19Wed

STRAIGHTENER/ホリエアツシ「結成20周年。これまで通り前だけを見て、常に新しい音楽を。」

2018.05.29

「“他のバンドとは違うんだ”という気持ちが昔は強かったです。でも最近は多くの人に届く音楽について考えていて。以前はポップな曲をどこかで否定していたけど、年々自分の中でポップの定義が変わり、その良さを理解するようになりました」

結成20周年を迎えたストレイテナーのホリエアツシさんは語る。『Future Soundtrack』は前作までにないモチベーションから生み出された。

「“僕たちがやるべき音楽”は十分に作ってこれたと思うので、今やりたいことを素直に出した作品です。今年は20周年ですが、今まで通り前だけを見て常に新しくありたい。タイトルの“Future”にそんな思いを込めました」

ロックとポップ。異なる2つが融合したのが秦基博さんとの共作『灯り』。

「秦君のメロディは、歌うと自分の曲にはない気持ちよさがあるので、彼とコラボするのはボーカリストとしての欲求でした。二人で作詞作曲をしたのが本作の制作の中期に重なったのは大きかったです。やはりポップなアルバムにしたかったので。曲順で最後にするかどうか迷いましたが、結果的に5曲目に自然に収まりました」

STRAIGHTENER/ホリエアツシ

今だからできる音楽が本作には凝縮。

「『Last Stargazer』は自分たちのルーツを見せられた曲。90年代好きだった“メロディック”をこれほどストレートに曲にしたのは初めて。作り始めてあっという間に完成しました」

センチメンタルなラブソング『Boy Friend』は、ホリエさんが20年近く前の自分自身にも重ねて作った曲だ。

「20代の頃、下北沢のライブハウスで、客席を友達が大半占める中でライブして、ギターを背負ったまま皆で飲みに行った。その頃と今ではいろいろと変わり、街の景色も違ってます。でも当時にタイムスリップした感覚で、時に切なくなりつつも楽しく書けました」

ストレイテナーにとって節目となる今年、4人体制になり10年目を迎えた。

「何事も暗中模索状態だった2人体制から、ひなっち(日向さん)が入った頃はスタンスは確立しつつもどこか気を張っていた。でもOJ(大山さん)が入り、4人でいろんなことを分かち合えて肩の荷が少し下りました。それ以降は音楽も自然体になりましたね」

“自分たちの好きにやってきた幸せなバンド”だとホリエさんは言い切る。

「誰かに何かを言われて自分たちを曲げなきゃいけなかったことは一度もなく、すごく恵まれてますよ。日本を何周もライブで回らせてもらいながら、メンバーとは各地での昔話もするし、お酒を片手に今の自分たちや今後のことも話します。昔の話をすると“あの頃青春してたよね〜”とか言うんですけど、今でもまだまだ青春(笑)」

ただ“あの時はよかったね”と話したことは、一度たりともないそうだ。

「良くなりたいと願いながら20年続けてきましたが、目の前にある“掴みたいもの”が今もずっと掴めない。具体的には……音楽好きな人には僕らの存在を知ってもらえてるけど、まだ知らない人の方が多い。だから、絶対的なバンドの代表曲を作りたいです。大ヒット曲に苛まれるアーティストがいるのは分かってますが、今の僕には贅沢な悩みですね(笑)。誰もが知ってる、そんな一曲を生み出したいですね」


『Future Soundtrack』STRAIGHTENER
『Future Soundtrack』STRAIGHTENER
ユニバーサルミュージック/11曲収録。CD+DVD初回限定盤4,800円、通常盤3,000円。

●ホリエアツシ 1998年結成のロックバンド、ストレイテナーのVo/Gt/Pf。初めはナカヤマシンペイ(Dr)と2人体制で始動、2004年に日向秀和(Ba)、08年に大山純(Gt)を迎えた。http://www.straightener.net/




Coming Tune

『サクラ』前野健太
『サクラ』前野健太
フォークシンガー、マエケンによる4年半ぶりのAL。ロックも歌謡曲もジャズも織り交ぜた多彩な本作でも、弾き語りの『虫のようなオッサン』はセンチメンタルかつ希望がにじむ一曲。
felicity/13曲収録。2,500円。荒内佑(cero)や石橋英子らによるアレンジ曲も秀逸。

『POLY LIFE MULTI SOUL』cero
『POLY LIFE MULTI SOUL』cero
スリーピースceroの4th ALは独自のポップスにポストロックやダンサブルをMIXした一枚。なかでも『ベッテン・フォールズ』はムーディな曲調に癒やされる、夜に聴きたいナンバー。
カクバリズム/12曲収録。CD+DVDまたは2CDの初回限定盤各3,148円、通常盤2,685円。

『二重螺旋のまさゆめ』Aqua Timez
『二重螺旋のまさゆめ』Aqua Timez
47都道府県ツアーで盛況を収めたAqua Timezの新譜。自閉症を乗り越えラッパーとして第一線で活躍するGOMESSとfeatした『えにし』は、心の葛藤を鮮やかに歌ったヒップホップ。
EPICレコードジャパン/12曲収録。初回限定盤3,426円、通常盤2,963円。

Tarzan No. 741 GOOD PERFORMANCE BODY 掲載 〉
取材・文/門上奈央 撮影/石原敦志