Jun24Sat

両腕を後ろに回してから、肘の内側を外へ向けられるか?

2017.03.11

動物トレ今日のお題

両腕を後ろに回してから、肘の内側を外へ向けられるか?

今年から当塾では、不定期で動物の野性的な動きにヒントを得た鍛錬術を取り上げるぞ。第一弾は今年の干支にちなんで鳥。鳩胸を作るトレーニングじゃ。


[鳩胸トレーニングのやり方]

ハトムネ1

両足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、両腕を後ろに回して両手でタオルを持つ。

ADVICE
肘を絞って両手の幅はできるだけ狭くせよ。


ハトムネ2

タオルを引き合いながら両腕を引き上げ、両肩を後ろに引いて胸を前に突き出して鳩胸を作り、両肘の内側を外に向ける。

ADVICE
腕を根元から外向きにひねる外旋を行うのじゃ。


ハトムネ3


本日の塾頭講話

猫背だと弱体化しやすい僧帽筋の筋力が問われるぞ。

デスクワークやスマホ操作ばかりに夢中になっていると、両肩が前に出て背中が丸まり、肩甲骨が背骨から離れた内転状態で固まる。この固まった肩甲骨を剥がさないと肩こりなどの誘因になるし、腕の動きが制限されて、ランや筋トレだって効果的にこなせない。鳩胸トレーニングで肘を外側へ向けるときには、肩甲骨が背骨に近づく内転、肩甲骨の外側の角が内側へ回る下方回旋、そして肩関節が外向きに捻られる外旋が同時に起こっている。その動きの主役となっているのは僧帽筋であり、背中が丸まった猫背だとつねに引き延ばされて弱くなっている。鳩胸トレーニングは弱くなった僧帽筋を鍛えて猫背を解消し、肩こりを改善する効果がある。デスクワークやスマホ操作の合間にやってみよ。



今日の補習胸の静的ストレッチ、左右各15〜20秒キープ

ハトムネ4

肘が外を向かなかった者に、喝!

肩甲骨の動きを邪魔している大胸筋と小胸筋をストレッチでほぐす。壁際に腰幅でまっすぐ立ち、肩よりも高いところで壁に片側の肘と前腕をつく。腰から下を固定したまま、胸を壁と反対方向へ捻り、大胸筋と小胸筋が伸びているのを感じたら、ゆっくり呼吸をしながら15〜20秒キープ。反対側もやるのじゃ。


shimizu-580

[質問1]

ランニングをしていてフルマラソンの後半になると肩が凝ってきます。肩甲骨は硬くなかなかうまく動きません。骨盤との連動もできていないようでうまく足の着地ができません。どうしたらフルマラソンが最後まで気持ちよく走れるようになるのでしょうか。もちろん体重オーバーなのは分かります。よろしくお願いいたします。(パパさん、男性、49歳)

kao

あまりにも確認しなければならない情報が多すぎて、回答の的を絞れぬ。よって、「後半の肩こり」にだけ的を絞って回答しよう。

おそらく、後半で背中が丸まってきておる。背中が丸まると肩が上がりやすくなり、僧帽筋上部の緊張が続き、肩が凝る感覚になる。また、大胸筋、前鋸筋の緊張が続き腕が振りにくくなるため、その状態から無理に振ろうとすると、かなり疲れるのだ。

なぜ背中が丸まるかというと、頭が先行したがるからじゃ。違う言い方をすれば、上体を突っ込みたがるという現象じゃの。突っ込むと、前方荷重になるため着地衝撃も上がり、脚の負担が強くなる。そして徐々にダメージが加わり脚が動かなくなる。

改善の方法は、骨盤がカラダの一番先頭になるように意識して走ると良い。決して腰を反るのではなく、突っ込まないための意識づけじゃ。ただ胸を張りすぎると、胸の方が前に行ってしまう。胸は張らず、あくまでも背すじはまっすぐで、骨盤を先行させよ。ただ、これでおぬしの肩こりがなくなるかは分からぬ。見てみないとわからぬのじゃ。あくまでも参考情報であるが、試してみよ。


[質問 2 ]

時間ができたのでジムに通い始めたのですが、体組成を測ったところ、体脂肪は32.1%、骨格筋量は17.3kgとまさかの隠れ肥満でした! そして、人生初めての筋トレを始めることになりました。どうせやるなら結果を出したいと思い、試行錯誤しながら、ジムにいるトレーナーさんを捕まえては、筋トレについてのアドバイスをもらったり自分で本を買って勉強もしました。そして、3ヵ月半ぶりに測った体組成では、体脂肪が、23.9%(-8.2%)、骨格筋量が、18.9kg(+1.6kg)に!!! そこで、これからもっとパフォーマンスを上げ、筋肉量を増やしていきたいのですが、筋トレをやる際に「呼吸法が大事」だとアドバイスを受けました。しかし、腹式呼吸をしながらの筋トレがなかなかできません。呼吸をする際の「イメージ」がわかると、取り組みやすいのですが、わかりやすい「イメージ」を教えていただけないでしょうか? (Masumiさん、女性、32歳)

kao

体組成の改善、おぬし頑張ったな。その試行錯誤は決して無駄にはならぬ。引き続き、気を引き締め頑張るのじゃ。

ところで、筋トレとは「無酸素運動」で、呼吸をしようがしまいが、成果には無関係。腹式呼吸とは横隔膜による呼吸の事で、基本的に副交感神経優位のリラックス状態で行う呼吸のこと。交感神経刺激による興奮状態で行う筋トレで、腹式呼吸はあり得えんのじゃ。こういう「いかにもそれらしい」という情報には気をつけよ。

では筋トレに呼吸は不要なのかというと、全く違う角度の意味合いで重要じゃ。まずなにより、血圧上昇を抑えるためには絶対に重要。息止め(怒責)しながら筋トレするとかなり血圧が上がるため、それを予防するために呼吸を止めないで行う。その時の呼吸はどうしても胸式呼吸になる。どうせ呼吸するなら、筋力発揮に対して自然なものが良いので、力を入れながら曲げる時に吐き、力を入れながら伸ばす時に吸うというパターンでやってみよ。というのが教本に書いてあるわけじゃ。

ただし、相当な高負荷を扱う時には、そんな呼吸など到底無理。どうしても止まってしまう。そこで「鼻呼吸」を重視する。高負荷を使って呼吸が止まってしまいそうな時も、例えばベンチプレスなら、挙げる時に鼻から空気が勝手に出て行ってしまうような感じで「ぐぅわぁぁぁ(上品さも忘れずにな。なりふり構わぬのならそれでよい)」っと吹き出す。そして今度は鼻から一気に吸ってから降ろすという形で進める。ここは慣れないと難しいが、とにかく鼻から「ぐぅわぁぁぁ」っと吹き出す練習をしてみよ。口で吹き出す感覚で例えるなら、冷たい手に「ハ〜」っと吹きかける時の感覚。大きく吐く感じじゃ。

筋トレはどうしても「力み」の癖をつけてしまう。それは「息止め」の癖にもつながり、息止めの感覚と癖は日常生活やスポーツ動作での力みにつながってしまう。筋力発揮と呼吸が自然に一致する事は、筋トレによる「力み人間」を作らない事に貢献する。鼻から自然に出るという事が大切じゃ!

質問を送る

監修/清水道場(IPF代表) 
取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 イラストレーション/more rock art all