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ツイッターフォロワー41万人! 話題の保育士・てぃ先生インタビュー「大人の手加減は時に子どもたちの怒りを生みます」

2017.06.11

子どもの怒りを受け止める。そんな重大タスクを毎日、大人数相手に行っているのは保育園の日常をつぶやくツイッターや、コミックスで話題の保育士、てぃ先生だ。

「3歳あたりまでで多いのが日常の些細な怒り。もっと部屋で遊びたいのに園庭に行かないといけない時とか、ご飯の時間だけど片付けたくない時とか……」

こうしたケースではとにかく共感してあげることが大事だとか。

「まだ部屋で遊びたいのに、とグズる子にはまず“いま積み木で遊んでいるのに嫌だよね、先生わかるよ”とその子の気持ちを代弁します。それを踏まえたうえで、“でも、園庭に出ればもっと楽しいことがあるかもよ?”と代案を示す。怒っている子に“とにかく外に来なさい”は通用しません」

3〜4歳前後になると、別の怒りの表現が出てくるという。

「この年齢になると、こちらの真剣度を子どもたちも見定めてきます。たとえば僕とかけっこをして負けてあげると“せんせい、いまのちゃんとはしってなかった!”と怒られたり。そんな時は“ごめん、今のは先生の調子が悪かった。もう一回やろう”と言います。手加減したと言うとさらにプライドを傷つけますから、次につながる言い方が大事です。4〜5歳になると他の子と比較する傾向も強くなるので、お絵描きで描いた絵を褒めてあげると“ぜんぜんじょうずじゃない!”とむくれるパターンも。これも芽生えてきた自尊心が怒りを生んでいるんです」

てぃ先生
子どもには成功体験をしてほしいから、かけっこ対決では必ず最後に負けるというてぃ先生。しかしやり方を間違えると怒りを買う結果に……。

怒りは長期的な関係の中で解決するしかない。

子どもだけじゃなく、保護者からの怒りに向き合う機会も多い。

「子ども同士の喧嘩やしつけに関することなど、不満をぶつけてくる親御さんはいます。でも僕はそれをモンスターペアレントとは捉えていません。親御さんはそれだけ我が子を思っているわけだし、その子の家庭の状況がそうした不満につながっているケースもある。つまり、怒りにはちゃんと理由があるんです。それを解決するには、子どもとも、親御さんとも長期的なコミュニケーションをとりながら向き合うしかないんです」

つまり、怒りへの対処法は子どもも大人も一緒なのだ。

「先生だからって闇雲に怒るのは間違い。なぜ子どもがそうした行動をとったのか、状況を理解し、その行動がダメな理由をポイントを絞ってちゃんと説明する。そうした丁寧なコミュニケーションが絶対に必要なんです」


てぃ先生

てぃ先生
関東地方の保育園に勤務する保育士。原作を務める『てぃ先生』(MFコミックス フラッパーシリーズ)は最新刊5巻が発売中。他の著書に『ハンバーカグー!』(KKベストセラーズ)など。将来の夢は自分の保育園を立ち上げること。


『Tarzan』720号では立川談慶さん(落語家)、高橋弘樹さん(テレビ東京プロデューサー)による怒りの華麗な対処法もご紹介!


Tarzan No. 720 「怒り」学 掲載 〉
取材・文/黒田 創 撮影/谷 尚樹 イラストレーション/黒猫まな子